配属先が決まって数週間後。
俺たち二人は副長に呼ばれて、土方副長の自室に来ていた。


最初は煙管の煙が煙たくて仕方なかったはずの副長の部屋も、今では慣れてしまったのか、何も思わなくなっていた。



「最近、調子はどうだ」



まずはお前から言ってみろとばかりに、蘭丸に目を向ける。


蘭丸は姿勢を正して、副長を見据え返した。



「……山南総長の小姓として、毎日先生の下で勉強しています。……最初は不慣れでしたが、今は一通りの事が出来るまでになりました」



蘭丸はそこで一息ついた。



「……それと、山崎さんから医術についての指南も欠かさず受けています。……忙しいけど……充実してます」



蘭丸の話を聞いて、土方副長は満足そうに頷いた。



「山南さんと山崎からお前の話は聞いている。その調子でこれからも励め。」



蘭丸は深く頭を下げると、照れ臭そうに肩の力をストンと落とした。



「で、古宮……お前はどうだ」



「俺は……」