「ーー古宮。お前は一番隊だ。即戦力として使いたいんだが、今のお前じゃ正直無理だ。沖田の元で、腕を上げろ」
「ーーはいっ」
部屋の隅で金平糖に舌鼓を打っていた沖田先生が、俺に向かってヒラヒラと手を振ってくる。
「よろしくお願いしますね、古宮くん」
「お願いします」
沖田先生はからりと笑うと、また一つ金平糖を頬張った。
「配属先も決まったことだし、二人共……漸くこれに袖を通せるな」
藤堂先生は、俺と蘭丸の前にそれぞれ風呂敷を置くと、早速中を開けて見るようにと促した。
戸惑いながらも、風呂敷を開くと浅葱色のダンダラが目に飛び込んで来る。
「……これって」
「我々の象徴とも言える隊服だ。これを着て、隊務に励んでくれ」
近藤局長が、穏やかな笑みを俺たち二人に向かって浮かべた。
途端に、嬉しさが全身を駆け巡る。
「「ーーはいっ‼︎」」
俺たち二人の声は、屯所中に木霊した。