「……終わっ、た」
呟いた途端、全身から力が抜けた。
方々から汗が吹き出してくる。
今まで全く聞こえなかった周囲の声が、一斉に俺の耳に入ってきた。
沢山の称賛の声が、俺に向けられている。
そんな中、大柄の二人組が俺の元に歩み寄ってきた。
確か、原田左之助先生と永倉新八先生だ。どちらも幹部で、その腕前も確かだと聞く。
「おいお前、中々やるじゃねぇか。俺の隊に入ってきたら、面白くなりそうだ」
「馬ー鹿。あの土方さんがお前の隊に此奴を入れるわけないだろ。『左之に任せたら、また面倒事が増える』…ってな」
「あ"なんだと?言ってくれるじゃねぇか、新八」
「あ、あの……」
俺の前で、何故喧嘩をし始めるのですか……。
止めた方がいいのか、それとも放っておいた方がいいのか。
周りを見てみると、全員が二人の喧嘩を無視して、各々話し合っていた。
どうやら、この二人の喧嘩など日常茶飯事らしい。
それなら、俺も関わらない方がいいな。
そう思った俺は、素早く立ち上がると、木陰で休む齋藤先生の元へと走って行った。



