Closed memory


ーーガッ‼︎


重い一撃が、蘭丸を襲った。
何とかそれを受け止めて鍔迫り合いになった途端、蘭丸の顔が苦痛に歪む。



齋藤先生はその隙を逃すことなく、更に太刀を振るった。



「ーーくっ‼︎」


蘭丸の息が乱れ始め、押されて行く。


誰が見ても、勝負がついたように見える。


沖田先生は、顎に手を添えて呟いた。



「……彼の課題は腕力と持久力みたいですね」



「ええ。……でも、負けん気は人一倍強いんです」



そうだろ、蘭丸……。
お前はまだこの勝負、諦めてないだろ。


ーー‼︎


蘭丸が力強く地面を踏んだ。
それと同時に、齋藤先生が構える。


多分これが、蘭丸の最後の攻撃。



「ーーっぁぁぁぁぁぁあ」



「ーーーっ」