Closed memory


「お前らには斎藤と一試合やってもらう。そのあと、幹部で話し合って配属先を決める。質問はあるか」



「いえ、ありません」



用意された練習着に着替えると、俺たちは側にある壬生寺に呼ばれた。



手には木刀。
となればやるべきことは、一つ。



木刀での真剣勝負。



「どっちから行く?」



隣で軽く素振りをする蘭丸に問い掛けると、蘭丸は此方を見ずに、



「……俺、先に行ってもいい?京の後になんてやりたくない」



「わかった。それじゃ、先にいけよ」



「ーー蘭丸からか。よし、準備が出来次第、何処からでもかかって来い」



俺たちの相手でもある、齋藤 一先生が蘭丸を見据えたまま言った。



蘭丸は、黙って頷く。



二人が中心に、その周りを幹部の先生方が囲んだ。


四方から蘭丸を見て、見極めてるんだ。


蘭丸が……俺たちがどこの隊に相応しいのか、知るために。