Closed memory


「ーーいいんだ、これで」



それ以上は何も言うなと言う事だろうか。


土方さんは視線を下げると、煙管の灰を静かに落とした。


一瞬の静寂が、部屋に訪れる。



「……あの」



声を上げたのは、これまで部屋の隅で小さくなっていた、蘭丸だった。



「……土方副長は如何様で、俺たちを此処に?」



「……」



そうだった。
俺たちは土方副長に呼ばれて、今此処にいるんだ。


すっかり頭から抜け落ちてしまっていたらしい。



「嗚呼……。お前ら、入隊してどのくらい経つ」



「丁度ひと月です。」



「……そうか。」



土方副長は暫く何か考えて、閉じていた目を静かに開いた。



そして、それと同時に



「……沖田、藤堂。こいつら二人の正式な配属を決めるぞ。準備しろ」



「「承知」」



配属決めの試験が、幕を開けた。