あれは、僕が六歳ぐらいのことだった。

僕は、捨て子だったので名前もないし、年齢もはっきりとはわかっていなかった。
いっつもフードをかぶっていて、はっきり言って暗かった。
それに、皆からこそこそ言われてばかりで、常に不機嫌だったし、目の色が右と左が違っていたので、地味に怖がられていた。

信用できるのは自分だけ、そう思っていた。