キャロリナ

「……」
「ねぇ、」
「…ごめん。……いきなりで悪いんだが、…俺の、俺の話を聞かねえか?
俺が、女を信じてない理由を」

ほんとにいきなりで、何かと思ったら、ちょっと前に言ってたことだった。
私は、彼の目に見つめられ、
ゆっくりと頷いた。

すると、彼はゆっくりと話し始めた。


誠side
俺は山口誠。
モデルになれるぐらいのそこそこの顔立ち。
自覚ぐらいしてる。

今は小6で、それなりに、普通の家庭を持っていた。
しかしある日、俺が学校から帰ると、父さんと母さんが、なんか口喧嘩をしていた。

「もう、あなたとは無理なのよ!
私は好きな人ができたの!誠の面倒なんてめれないわよっ!」
「いい加減にしないか!
お前はそんなに私と離婚したいのか!?じゃあ、何のために結婚したんだ!」
「そんなの決まってるじゃない。
お金よ。…他に何の取り柄があるの?」
「なんだって?
それじゃ、私はずっとお前に貢いでただけってことなのか?
はっ、笑わせないでくれ。
私だって、離婚に賛成さ」
「それは良かったわ。じゃ。誠よろしくね」
「……」

俺は、父さんと母さんのその会話を聞いて、頭が真っ白になった。
俺は急いで自分の部屋に行き、声を殺して泣いた。