キャロリナ

頭痛いよぉ。
なん…なの?
視界が段々、ぼやけてきた。そしてすぐに私の体はバランスを崩した。
普通にしようとしても、全然立てない。地面にこけた私は、座ろうとしても座れず、寝転ぶカタチになった。
私の意識は途切れつつあるときに、頭の上の方から、

「なんだよ…。また、俺を忘れたいのかよ…?どーしていつもそ〜なんだよ……」
「…ん?…や、山口、君?
……あ、ありが、…と…」

私はそこまでいって、目をつぶった。


目を開けると、知らない天井がうつった。保健室とか、私の家とか知っている所ではないのは確かだった。

「…えっ?えっ?えっ?
どこなのぉ?ここ。
えっ?誰かぁ、いるのぉ?」

私はもう、怯えきっていた。
ガチャっと音がして、部屋のドアがあいて、そこから入って来たのは、
な、な、な、なんとっ、

「や、山口君!?」
「あぁ。
…それより、何があったか覚えてるか?菜津」
「わかんない…けど、倒れたの、かな?あっ、それよりなんで私の名前知ってんの?」
「っあ〜!それは、あれだよ。
ほらっ、同じクラスだろ!?」
「あ〜…、そうか。そうだよね。
あっ、そうだ。
山口君って、下の名前さぁ、まことっていうの?」
「そ、そうだけど?」
「なんかね〜、私が倒れる寸前にね、幼い私と、山口君と同じ名前の男の子が、楽しそうに話してる映像?
が見えたのっ!」