「奈津〜、遅いよ〜。
あと少しで、予鈴なるじゃんかぁ〜」
「ごめ〜ん。ちょっと、ねれなくてさ…」

昨日はいろいろとあって、寝れなかった。

「なになになに!?
いきなりどしたの?さあさあ、相談してみなはれや」
「いやぁ〜、別に大丈夫よ?」

私のことを心配してくれる、桃乃のこういうところも私は好き。

「はぁんはぁーん?
さー、言いなさいっ!」
「うっ…わかりました…」

ということで、私は昨日のことを全部、話すことにした。
山口君に恋をしたことも、ちゃんとね。

「へ〜〜〜。いんじゃないの〜?」

とってもニヤニヤしている桃乃を私は、とても睨んだ。
なんてやつなんだ!!!

「でも、本当に、あの"信用できない"とか言う意味がわかんないなぁー」

ちらっと、山口君のことを見ると、彼は机に伏して寝ていた。
今日も気持ち良さそうに寝てるなぁ。
頬っぺた突ついたら面白そうっ。
私は、その衝動にかられ、桃乃の「どこ行くのー?」と言う声も耳には届いていなかった。

ツンっ
綺麗な寝顔に、指をさして
彼が目を開けるのを待った。やっぱり、私は山口君のことが好きなんだなぁって思う。

周りのみんなは、不思議そうに見ている。私はみんなの視線に気づき、急に恥ずかしくなって、その場を離れた。

「どーしたのよっ」
「……ごめん!…なんでもないよ……」

そのあとから、私は恥ずかしくて、ずっと机の上を見ていた。
山口君が私のことを楽しそうに見ていたとは知らない…。