キャロリナ

目を開け窓の外を見ると、そこはもう薄暗く、部活をしていた子達の声が小さくなっていた。
嗚呼、結構な人が帰ったんだなと思った。

「私も帰らないと」

ガタッといすをならし、席を立つと、私の席の右に二つのところにさっきの私と同じように寝ている男子がいた。

正直、びっくりした。
自分以外にも、寝ていた子がいたなんて。
もう、外は薄暗いので、起こしてあげることにした。

「ねぇ、ねぇ起きて」
「ん…」

その男子は少し揺らしただけでは起きなかった。
それにしても、ものすごく綺麗。
まつ毛は長く、鼻はすっと、とおっている。唇は、少し薄くほんのりと紅く色づいている。
肌も綺麗。
女装したら、私よりも可愛いはず。

1人でそんなことを考えていたら、笑えてきた。
1人、男子の顔を眺めながら笑っていると、目の前の男子がゆっくりと目を、開けた。

その目は、とても澄んでいて
見ているだけで、吸い込まれそうにな

った。
じっと、私のことを見ていた彼は、また目を閉じた。

私の胸は破裂するのではないかと思うほど、高鳴っていた。


私は、その時わかった。

これが…、
「恋なんだ…」