キャロリナ

金目当てなら、俺のこと、産むなよ…。
なんで、俺の家族なんだよ…。
他の家族でもよかったじゃねぇか。

くそッ‼

それから少しして、母さんは出て行った…。いや、母さんなんかじゃない。
あんな女、母さんじゃねぇ。

おれは、それからというもの、ずっと女を避けてきた。
女達は、俺のことをかっこいいとかいってきて、よく、告白もされた。そんなの、もちろん無視。

「俺のことなんて、何も、何も知らねぇじゃねぇか…!」

俺は、女なんか、信じないって、決めたんだ。


奈津side
山口君は、女を信じてない理由を私に話してくれた。
その話を聞いて、私は涙をポロポロと流した。

「うぅ~。…ひっくッ…」
「…泣くなよ」

そう言って山口君は私の涙で濡れている頬を親指で拭いてくれた。

「お前は、信じてるから」
「ありがと」