ひまわり

「あ~!おーちゃん!こんなところにいたぁ~!!」

大きな声を上げながら、他のクラスの女子グループが駆け寄ってきた。

「国枝先生が探してたよ!アスレチックのところにいるよ!」

「そうか!わざわざありがとうね。」

「どういたしまして!じゃあね~。」

それだけ言うと、ふれあいコーナーの方に向かって行った。

「じゃあ俺、国枝先生のところ行くね。」

「はい…。」

立ち上がった先生に寂しさを感じる。
もっと一緒に話していたかったな・・・なんて思うのは贅沢かな?
数歩、先に進んだ先生が急に振り向いて、私の目の前に立った。

「一つ、言い忘れてた!」

少し屈んで、目線を同じにした先生。
さっきよりも近い距離に、ちょっと体を後ろにそらす。

「さっきはありがとう。永峰さんのおかげで助かったよ。」

にっこりと微笑んで言った。

「え?」

「さっきのバーベキュー。シイタケ食べてくれたでしょ?俺…実はシイタケ苦手なんだよね。」

今度は苦い顔をして、小さな声で教えてくれた。

「シイタケ食べると気分が悪くなるんだよね…。だから助かった!ありがとう!」

それだけ言うと先生はアスレチックのある方向へと、走って行ってしまった。
私はその後ろ姿が見えなくなるまで、見つめ続けていた。