臆病な自分が嫌になる。
制服のことだって、まだ聞きに行けていない。

大野先生が学校に来てから一週間。
若くて、気さくで、優しいから人気が出ていた。
特別イケメンって感じではないから【恋心】を抱いている人気じゃなくて、友達のような・・・先輩のような感じかな。

授業は明るい雰囲気で進めてくれるから、話を聞いていやすい。
分かりやすいと評判も抜群。
数学が大の苦手の私は、分かりやすいはずなのに分からない・・・

そんな人気の先生。
休み時間も誰かしら生徒がそばにいる。

話しかけることも出来ないまま、今日の遠足を迎えていた。

「今日は話しかけるんだよ!?目指すは二人で写真!」

「うん…。努力します…。」

遠足という楽しい雰囲気に便乗して、話しかけたいと思っている。
そして、出来れば先生と写真が撮りたい。
いつでも先生を見られるように。

自分のスマホを見つめて気合いを入れ直した。