ひまわり

「国枝道彦(みちひこ)です。みんな知っての通り、担当教科は日本史。今年で38歳になります。あだ名はミッチーとクニちゃん。サッカー部の顧問!…こんな感じで、じゃあ藍沢から順に始めて。」

先生が終えると、出席番号一番の千沙ちゃんが自己紹介を始めた。
前に出はしないものの、自分の席で立ち上がり、話始める。

「藍沢千沙です。一年生の時は五組でした。部活はクッキング部に所属しています。…えっと…友達からは千沙ちゃんって呼ばれます。よろしくお願いします。」

一番ってことで、ちょっと話すことに困った感じで自己紹介をしていた。
終わって席に座った千沙ちゃんはホッとした顔をする。
続いて自己紹介をするのは、出席番号二番の遼くん。

「泉谷遼です。六組出身です。バスケ部に所属しています。遼と呼ばれることが多いので、みんなも気軽に好きなように呼んで下さい!」

明るい声で自己紹介を終えた。
あんな風に笑顔で挨拶・・・私に出来るかなぁ~

そのあと、出席番号順に次々と自己紹介が進んでいった。

「えっと…。斎藤愛実です!六組出身のクッキング部所属です。愛実って呼ばれてて、たまにメグちゃんって呼ばれます。よろしくお願いします。」

愛実もニコニコと話していた。
さ行まで来たから、もうすぐ私のところに順番が来る。
なんとも言えない緊張で心臓がバクバクと大きく鳴り出した。

私の前の手塚くんが自己紹介を終えて、席に着いた。
あっという間に自分の番になり、緊張したまま立ち上がる。
若干、足が震えた状態で話し出す。

「…永峰結麻です。一年の時は…」

「え??」

話している私の言葉に重なった声。
クラス全員の視線が、声の主に集中する。