ひまわり

しばらくすると愛実も来て、三人でお喋り。

もうすぐチャイムが鳴るかなぁ~なんて思った時、遼くんがバスケ部の人たちと教室に入ってきた。
朝からお疲れの様子。

「泉谷おはようー!なんか疲れてない?」

愛実が声をかけると、遼くんが私たちのところに来た。

「おはよう~。入学式の準備させられててさ…椅子並べたりして、もう疲れたわ。」

ぐったりとして話す遼くん。

「朝練で走り回るより良いんじゃない?」

朝から運動する方が疲れそうだけど・・・
首を傾げながら、聞いてみた。

「違うんだよ!朝練なら、大好きなバスケの練習だろ!?だから頑張れるし疲れないんだけど、雑用をさせられると…すっげぇ疲れる。」

ちょっと力説をされてしまった。
要するに、遼くんはバスケが大好きなんだね♪

「てか、永峰は大丈夫なの?」

急に心配そうな顔をして私を見た遼くん。
にっこりと笑顔で答える。

「大丈夫だよ♪心配してくれてありがとうね♪」

「どういたしまして。元気で良かったわ。」

照れ臭そうに遼くんが言った時、チャイムが鳴った。
みんなが席について、少しすると教室の前の扉から国枝先生が教室に入ってくる。
すると後ろの扉も開いた。
何気なく後ろを見ると、入ってきたのは大野先生だった。

目が合うと、先生がペコッと小さく会釈をする。
その姿に私の胸は高鳴り、顔が熱を帯びていく。

赤くなった顔を見られないようにすぐに前を向いた。
けれど意識は背中に集中していて、教卓で話す国枝先生の言葉が全く耳に入らなかった。