「もしもし愛実?やっぱりダメだったぁ~…。」

愛実が電話に出た途端、私は情けない声を出した。

『そっかぁ。結麻のお母さんも心配してるんだよ。』

そんな私を励ますように、明るい声で答えてくれる愛実。
お母さんの気持ちもわかってる。
わかってるんだけど・・・

「そうだけど…もう高二になるんだよ!?心配しすぎ。」

『まぁまぁ。そう怒んないの!明日のカラオケは中止だね。』

「うぅ~…。ホントごめんねぇ~。千沙ちゃんには私から連絡する~。」

明日は三人でカラオケ女子会の予定だった。
すごく楽しみにしてたのに、ショックすぎる・・・

それに、遊園地の後から千沙ちゃんと会っていない。
一応【大丈夫?ゆっくり休んでね!】とメッセージをくれたから大丈夫なのと、せっかくの颯人くんとのお出掛けを台無しにしてしまったことを謝った。

直接謝りたいのもあるし・・・
私の過去について、愛実が話してくれたみたいだけど、それも自分でちゃんと話したい。

だからどうしても明日は出掛けたかった。

『いいよ。私から連絡しとくから。結麻は自宅にいなさい♪』

「はぁ~い。じゃあまたねー。」

『またね♪おやすみー』

電話を切って、ベッドに勢いよく飛び込んだ。
うつ伏せのまま動く気力が起きない。

すると──
ピロリン♪
持っていたスマホが小さくなった。

横になった状態のままで、届いたばかりのメッセージを読む。