ひまわり

一ヶ月後のホワイトデー。
彼はチョコをくれたみんなにお返しをしていた。
私もみんなと同じクッキーを貰った。
大事に持って帰ったクッキー。
夜、中を開けてみると、手紙が入っていた。

【ながみねさんが好きです。春休みふたりであそぼうね。】

手紙を読んで・・・嬉しくて・・・恥ずかしくて・・・次の日に彼の顔を見ることが出来なかった。
でも、その次の日は一緒にバスケをした。
二人になったときに、遊ぶ日を決めた。

待ちに待った春休み。
映画に行ったり、やっぱり二人でバスケをしたりして、楽しいことばっかりの毎日だった。
まだ小学生だった私達は【両想い】って言葉だけで良かった。
二人で遊ぶようになっただけで、告白前の関係とは何も変わらなかった。


───小学校四年生になった

クラス替えがなくて、仲良かった子達と一緒のままがとても嬉しかった。
ウキウキと学校に行き、みんなに挨拶をした。

すると、男子は今まで通りに返事をしてくれたのに、女子はぎこちなく返事をする子や返事を返してくれない子がいた。

不思議に思うだけで、最初は全然気にしなかった。

でも・・・日に日に返事をしてくれる子が減っていった。
話しかけても無視されるようになった時、私はいじめられているんじゃないかって思うようになった。
それでも、男子が一緒の時・・・特に両想いの彼と一緒の時は、普通に接してくれるから、我慢することが出来ていた。

六月の終わりに私の誕生日がある。
10歳の誕生日プレゼントに、ずっと欲しかったポーチを買って貰った。
その頃人気があったアニメの主人公が持っているのと同じ物。
嬉しくて、アニメと同じように筆箱の代わりに使った。


───そのポーチが数日後ぐちゃぐちゃに汚されてゴミ箱に入れられていた。

放課後、ポーチを親に見られたくなくて・・・帰れないで教室で泣いていた。
そこにクラスの女子数人が寄ってきた。

「調子にのるからポーチが汚れたの。」

「なんで結麻が両想いになってんの?」

「私たちも好きなの知ってるくせに、自分だけ二人で遊んでズルイ。」

「もう誰も結麻と話さないから。」

「学校来ないでくれない?」

次々に浴びせられた罵声。
それでわかったのは、私が彼と両想いになって、二人で遊んでいたことで、私はいじめられているみたいだった。
クラスでリーダー的存在のグループ。
それに女子はみんなと一緒じゃないと心細くなる人が多い。
だから、クラスの女子みんなから無視されていたみたい。

私は次の日から不登校になった。