ひまわり

私はS区で生まれ育った。
幼稚園の頃から人見知りを全くせず、男女関係なく誰とでも仲良くなれた。

小学校の頃、私は外で遊ぶのが大好きだった。
特に走り回るスポーツ。
バスケが得意でクラスの子と休み時間にいつもバスケをしていた。

得意な科目は体育と算数。
苦手なのは国語と家庭科。

髪はいつも肩の辺りで切り揃えて、ポニーテールにまとめていた。
本当は動くときに邪魔だから、もっと短くしたかったけど・・・一人娘ってことで、お母さんが可愛らしくしたかったらしく、これ以上短く切ってくれなかった。

コーラが大好きで、学校から帰ってすぐに飲むのが毎日の楽しみになっていた。

友達と遊ぶの大好き。
男子も友達!
こんな私だったから、恋とは無関係だった。

それが変わったのが小学校三年生の時。
一年と二年はクラス替えがなかったから、この年に初めてクラス替えをした。
同じクラスになった人の中に、私と一緒でバスケが大好きという男の子がいた。

───それが森伸也くん・・・だったみたい。

すぐに仲良くなり、いつも一緒にバスケをしていた。
それが楽しくて仕方なかった。

そんな毎日の中で・・・私は初めての恋心に気がついた。

楽しいだけじゃない。
彼といると心がドキドキと高鳴った。

でも、そんな気持ちを抱いたのは、私だけじゃなかった。
明るくて優しくてバスケが上手な彼はクラスの女子から人気があった。
「好き!」って言い切る子もいた。

みんなで彼のいいところを言い合い盛り上がることが毎日のようにあった。

それが楽しかったのか、誰も告白をすることがなかった。
私も「好き」という気持ちは閉まって、一緒にバスケをする、そんな日々を過ごしていた。


あっという間に過ぎる日々。
女の子が楽しみにしているバレンタインデーがきた。

クラスの女子の六人くらいで、一緒にチョコをあげにいった。
笑顔で「ありがとう」とみんなのチョコを貰ってくれた。

私はお母さんと一緒に、一生懸命作ったチョコを渡せたことが、とても嬉しかった。
本当に渡せるだけで良かったの───