ひまわり

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「なんで遼に任せたんだよ。俺じゃダメだったわけ?」

結麻ちゃんが救護室に向かった後、すぐに森くんが愛実ちゃんに詰め寄った。
私───千沙はオロオロとその様子を見ることしかできない。

「今の結麻と森くんを一緒にいさせるわけにはいかないから。泉谷なら大丈夫だと思うよ。」

「意味わかんねぇ。俺のせいだとでも言いたいわけ?」

冷静に返事をする愛実ちゃん。
それを聞いてムッと怒ったように、森くんがさらに詰め寄っている。

「落ち着け伸也。怒ったって仕方ないだろ。」

二人の間に立って、颯人くんが森くんをなだめてくれた。
それでもまだ苛立っているようで、結麻ちゃんが置いていったコーラを、ゴミ箱へと力任せに投げ捨てた。

「…昔はあんなにコーラが好きだったのに…俺のことも好きだって言ってたのに…何なんだよ。」

ボソボソと一人言を呟いていた。
それを聞いて私は首を傾げる。

結麻ちゃんって確かジュース・・・特に炭酸が苦手だって言ってたような
いつも飲んでいるのはお茶だし
それに昔って、結麻ちゃんと森くんが知り合いだったの?

「結麻と知り合いだったのっていつ?」

突然、愛実ちゃんが質問をした。
何でそんなことを聞くんだ・・・そんな感じの顔をしながら、森くんが答える。

「いつって…小三と小四の時に同じクラスだったけど。それがなんだよ。」

「やっぱり小学校か。…じゃあ結麻が覚えてないのも無理ないね。」

「は?どういう意味?」

返事を聞いて納得したような愛実ちゃん。
愛実ちゃんの言葉を聞いて、さらにわからなくなったような森くん。
私と颯人くんも意味がわからない。

「ちゃんと話すよ。ただ、結構大事な話になるから、落ち着けるところに移動しない?お昼ご飯も食べてないしさ。」

どこがいいかなぁ~なんて言いながら、愛実ちゃんは私の手をとって歩き出した。
私達はよくわからないまま、愛実ちゃんに着いていく。
すると歩きながら、私にだけ聞こえる小さな声を出した。

「結麻の過去の話…驚かないでね。」

どう答えれば良いかわからなくて・・・何も言わずに、こくりとだけ頷いた。