メッセージを読んで私は小さくため息を溢した。

「どうしたの?誰から?」

不思議そうにしている千沙ちゃん。
愛実は誰からなのか気づいているようだった。

「…森くんから。」

二人にメッセージを見せる。

連絡先を教えてからというもの、森くんからは毎日のようにメッセージが届く。
返事は返したり、返さなかったりする。
こまめに届くメッセージは、森くんの好意を感じさせはするが、核心的な言葉は言ってこない。

あいまいなメッセージをやり取りするのが、億劫になってきている。

「【早めに部活が終わった。永峰さんはまだ?】って…約束でもしてるの?」

「してないんだけど…待ってるっぽいんだよね。」

実は・・・こないだ遼くんにクッキーをあげてるところを見ていたらしく【俺も永峰さんの作ったお菓子食べてみたい】って言われている。
先週の部活を風邪気味で休んでいた私。
言われてから、今日が最初の部活なのです。

「森くんかっこいいけど…結麻ちゃんは好きな人いるもんねぇ。」

困ったねぇなんて言葉が溢れてきそうな顔をする千沙ちゃん。

「泉谷にあげてるのに断るのも変だしね。いたらあげるしかないよねー…。」

愛実も困ったような顔をしていた。
仲良しの遼くんにあげるのと、森くんにあげるのは・・・なんか違う気がして乗り気になれない。

ふぅとため息をつく。
私の周りの雰囲気が暗くなっているのを感じる。

「マシュマロ固まったよ~!仕上げしてください~!!」

突然聞こえてきた部長の声。
愛実が自分のグループに戻り、私と千沙ちゃんは一緒に仕上げをする。

固まったマシュマロは流し込んだバットの形で大きな四角。
それをハートの型抜きで可愛らしく仕上げる。