ひまわり

「なに?」

ポケットからスマホを勢いよく取りだし、先生の目の前に出す。
その勢いのまま、言葉を繋げた。

「遠足の写真を送りたいので、連絡先を教えて下さい!!」

先生の反応と返事が怖くて、目をつぶった。
ぎゅっと目を閉じていると、自分の心臓の音だけが大きく聞こえる。

ドキドキ

「あぁ~。そういえば、まだ写真もらってなかったっけ?」

「はい。」

ドキドキ
そっと右目を開く。
少し見えた先生の顔は・・・優しい笑顔だった。

「ちょっと待ってね。俺のスマホ赤外線がついてないから、書くね。」

机の引き出しを開け、ガチャガチャとメモを取り出し、何かを書いた。

「はい。これ、ラインのIDだから写真置くってもらえるかな?」

差し出されたのは黄色いメモ用紙。
見ると先生が言った通り、ラインのIDが書かれていた。
あと・・・電話番号。

受けとる手が震える。
本当に教えてもらえるなんて思わなかったよ

「本当にいいんですか?教えてもらっちゃって。」

聞いてはみたけど・・・これで「やっぱりダメ!」って言われても、このメモを返す気はありません!

「バスケ部員には緊急のために教えてるし、いいんじゃない?ただ、キリがないから…他の生徒には内緒だよ。」

いたずらっ子のような笑顔をしながら、唇の前に人差し指を立てる。

私だけ特別ってこと?
嬉しさで叫びたいのを必死で抑えた。