ひまわり

「あっ!あのっ!…これ部活で作ったんで、良ければ食べてください!」

小さめの紙袋を差し出す。
さっきケーキを入れた袋がこの中に入っている。
勢いよく先生の前に出したので、袋がガサッと音を立てた。

「俺にくれるの?作ったって…二人は何部なの?」

紙袋を受け取り、中を覗きながら、私たちに質問をした。

「クッキング部です。先生に食べて欲しくて…。」

「すごっ!美味しそう~!二人が作ってくれたの?」

「私が作りました。味見はしてるので、味は大丈夫だと思います。」

「ありがとう~!ちなみに、これって何のケーキ?」

嬉しそうにケーキについて聞いてくれる先生。
無事に受け取ってもらたことで、緊張が解けて、ちゃんと先生と会話をすることが出来た。
早速、一つ取り出して食べて「美味しいよ。」と喜んでくれた。

「わざわざありがとうね。残りは家で大事に食べるわ。」

扉の近くの机が先生のだったらしく、机の上に紙袋を置く。
キチンと整頓してある机が先生の性格を表している。

「お礼しないとなぁ~。」

と先生は呟いていた。

「先生!あと一つ用事があるんですけど…。」

ブレザーのポケットに手を入れ、中に入っている物を握りしめた。