「なぁに?」
「あのさ…すごい腹減ってるんだけど…今日作ったお菓子ってもらえないかな?」
期待を込めた瞳で見つめられている。
今までだったら、迷わずにあげていたんだけど・・・
「遼くん、ごめん。今日のはあげたい人がいるから…ごめんね。」
今日はどうしてもあげれない。
手を合わせて謝り、「また明日ね」と言って、体育館から離れた。
愛実も遼くんに話しかけてから、少し遅れて私のあとについてきてくれる。
階段を下りて、職員室と数学教官室のある二階に向かう。
両方とも同じ並びにあり、迷って、数学教官室を先に覗いてみることにした。
───トントン
軽く扉をノック。
緊張でノックする手が震えている。
「失礼します。」
扉を静かに開いて中に入る。
数学の先生しか使わない部屋だから、教室の半分ほどの広さ。
だから、入ってすぐに先生がいるのがわかった。
「あれ?永峰さんと斎藤さん。こんな時間にどうかした?」
教官室の奥にいた大野先生。
私たちに気がつき、にこやかに扉のそばまで来てくれた。
「今、俺しかいないんだけど、誰に用事?」
先生に用があってきたのに、いざ目の前にすると、緊張で足がふわふわしている。
それに言葉が出てこない。
「…さっきまで部活だったんです。結麻が大野先生に用があるそうです。」
顔を赤くして、固まってしまっている私を見かねて、愛実が話してくれる。
すると、私たち二人を見ていた先生の目が、私だけを見つめた。
「用ってなに?質問とか?」
目尻の下がる笑顔で優しく問いかける。
ポーッとその笑顔に見とれてしまっていたが、愛実に腕をつつかれ我に返った。
「あのさ…すごい腹減ってるんだけど…今日作ったお菓子ってもらえないかな?」
期待を込めた瞳で見つめられている。
今までだったら、迷わずにあげていたんだけど・・・
「遼くん、ごめん。今日のはあげたい人がいるから…ごめんね。」
今日はどうしてもあげれない。
手を合わせて謝り、「また明日ね」と言って、体育館から離れた。
愛実も遼くんに話しかけてから、少し遅れて私のあとについてきてくれる。
階段を下りて、職員室と数学教官室のある二階に向かう。
両方とも同じ並びにあり、迷って、数学教官室を先に覗いてみることにした。
───トントン
軽く扉をノック。
緊張でノックする手が震えている。
「失礼します。」
扉を静かに開いて中に入る。
数学の先生しか使わない部屋だから、教室の半分ほどの広さ。
だから、入ってすぐに先生がいるのがわかった。
「あれ?永峰さんと斎藤さん。こんな時間にどうかした?」
教官室の奥にいた大野先生。
私たちに気がつき、にこやかに扉のそばまで来てくれた。
「今、俺しかいないんだけど、誰に用事?」
先生に用があってきたのに、いざ目の前にすると、緊張で足がふわふわしている。
それに言葉が出てこない。
「…さっきまで部活だったんです。結麻が大野先生に用があるそうです。」
顔を赤くして、固まってしまっている私を見かねて、愛実が話してくれる。
すると、私たち二人を見ていた先生の目が、私だけを見つめた。
「用ってなに?質問とか?」
目尻の下がる笑顔で優しく問いかける。
ポーッとその笑顔に見とれてしまっていたが、愛実に腕をつつかれ我に返った。

