ラブ・カクテル

その言葉に、あたしは笑って誤魔化した。


「そういえば、佐々木さん。今月、お店に来るの、初めてですよね?」


あたしは手が空いていたので、グラスを拭きながら会話をする。


「理沙ちゃん、気付いてた?」

「佐々木さん、毎週のように来てくださってたから」


それぐらい、佐々木さんはお店に通ってくれていた。


その佐々木さんが急に来なくなれば、あたしだって気付く。


「会社が忙しくてさ」


そう言われれば、少し疲れたようにも見える。


「無理しないで下さい」

「ありがとう」

「じゃ、あたしから1杯。ご馳走させて下さい」

「いや、悪いよ」

「練習ってことで」


そう言って、あたしはお酒を作り出した。