王子に恋する天使ちゃん




「わかった。じゃあ今は返事はいいから。俺と友達になってよ。」



しばらくの沈黙があって、先に口を開いたのは男の子だった。



「え、でも。」

「俺の名前は平谷慎矢!
よろしく!葉月って読んでもいい?」

「え?え、え?あ、はい。」



そう咄嗟に返事をしてしまったあたし。

友達からって………



「じゃあな、葉月!
返事は俺のこと好きになってからな!」

「へ!?あ、ちょ、ちょっと!」



それだけ言うと、平谷くんは走っていってしまった。