ていうか、この手!手をはなしてくださいませんか。
「あの日向くん。」
「ん?」
「手を…離してくださいませんか」
「やだ」
なぬっ!
「この手を離したら葉月逃げそう。」
逃げないよ!だから離して!
「あの、逃げませんからーーー」
日向くんの手をぶんぶん振っていたら、急に視界が逆転した。
ぼふっ
背中には柔らかい感触
「こうした方が、いいかな?」
「えーーー?」
目の前には日向くんの顔。
日向くんの髪が顔に当たってくすぐったい。
あたしを見つめるその瞳に吸い込まれてしまいそうーーー
あたし、押し倒されてる!?

