あたしたちの学校は、西棟と東棟に分かれててちょっと遠いんだよね。 「んだよお前。そんな事も知らなかったのかよ。」 「あは」 通りであたしが知らなくて、皆がキャーキャー言ってるわけだ! それならあたしが西棟の日向を知らなくてもおかしくないよね。 だって棟が離れてるんだから! 一人でうんうんと納得していると、 「おい、葉月。」 また、不意に呼ばれた名前。 「…なんでこざいましょう。」 「お前、あそこで何してんの。」