王子に恋する天使ちゃん


辺りがシンと静まり返る。

その代わり、ヒソヒソと話し声が聞こえた。

"なんなの、あの子。"

"伊吹さまに声をかけてもらえるなんて!"

ひぃぃ!
女子の視線が痛い! 見られすぎて穴が空いちゃいそうだよぉ。

「葉月。」

不意に名前を呼ばれて、一気に体の体温が上がる。

「ちょっと来い。」

そう言って、日向くんはあたしの腕を掴んでもと来た道を歩き出した。

「え?ちょ…。」

由佳の方を見ると、にっこり笑顔で手を降っていた。


そんな笑ってないで助けてよぉ!

あたしの耳には、女子たちの悲鳴が聞こえていた。