結局、急いで作ったのは親子丼だった。
二人で向き合って食べていても、会話は一つもなし。
テレビから正反対の楽しそうな笑い声や会話がリビングに響いていた。
本当に相ケ瀬くんは何にも言わずに食べてるからおいしいのかおいしくないのかも分からない。
「……ねー!親子丼おいしい?まずい?」
あたしは機嫌を伺いながら、おそるおそる相ケ瀬くんに聞いてみた。
「ふつう」
返ってきた言葉はたったの三文字だった。
しかもあたしとは全然視線を合わさずに答えてきた。
「あーそうですか」
まずくもおいしくもないってこと?
そう思ったらなんだかイライラが込み上げてきた。

