一ノ瀬先輩に褒められることを目指してやってきたから、こんなに早く褒めてもらえたことがすっごく嬉しい。
先輩の言葉でもっともっと頑張れそう。
「立花?聞いてる?」
「あっ、ありがとうございます!
あたしもっと練習して、先輩に『できるようになったね』って言ってもらえるように頑張ります!」
「あぁ、楽しみにしてる。頑張れよ!」
「はいっ!」
先輩はくしゃっとした笑顔で言うと、あたしに給水ボトルを渡してピッチへ歩いて行った。
「かっこよすぎる……」
もう絶対忘れられない。
自分に笑顔を向けてくれたことが嬉しくて叫びたいくらいだ。
お母さんが仕事から帰ってきたら絶対報告しないと!

