そして家でも練習をしようと思ったあたしは相ケ瀬くんの部屋に向かった。
―コンコン
とドアをノックして「はい」という声を聞くとゆっくり開けた。
「相ケ瀬くん!玄関に置いてあるサッカーボール借りてもいーい?
リフティングの練習に使いたいんだけど」
「…………。」
……無視?どうして?
一瞬こっちみたけど、窓を開けるとバルコニーに出て行ってしまった。
それになんか相ケ瀬くん怒ってる?
でも部活の時も普通だったし、特にあたしは相ケ瀬くんとも喋ってないし……。
「ねー、相ケ瀬くん?」
あたしは様子が変なのが分かっていながらももう一度彼に声を掛けてみた。

