今までに見たことのないくらい屈託のない笑顔の彼は「ひかる!」とあたしの名前を呼んだ。



必死にどんどん溢れ出す涙を両手で拭うと、彼はこっち来いと手で合図をする。



あたしはそんな彼に惹かれていくかのようにスコアブックを持ったままピッチに向かって走っていったんだ。



優勝した世界がこんな素晴らしいものだって思いもしなかったよ。



今まで走ってきた道は決して平坦じゃなかったけれど、でもこの学校で



この部活でマネージャーをやって本当によかった。



「相ケ瀬くん、最後のシュートとってもすごかったよ!」



あたしは相ケ瀬くんに負けないくらいの笑顔でそう言ったんだ―――。