「でも相ケ瀬くんは何にも言ってくれないじゃん」 「………」 「ほらー!」 「言ったら軽くなるから言わない。 嫌いになったら嫌いって言うからそれでいいだろ?」 相ケ瀬くんは一瞬こっちを向いてフっと笑った。 このままだとそのまま家帰るけど?と暢気に言っている。 もういいもん。言ってくれないなら、言ってくれないで。 高望みした自分がバカだった。 次、あやに会うときに愚痴っちゃうもんね! あたしはその後拗ねて、相ケ瀬くんの背中を追いながら曲がるときに「右」「左」しか言わなかった。