もし言ったらなかったことにしてもらえる。
だけど、こんな本人目前にして簡単に言えることじゃないよ。
でも言わなかったら何を言われるか分からない。
「はやく」
「す」
あたしは一文字言っただけでもう無理で一生懸命首をフルフルと振って訴えた。
「だめ、はやく。3、2、1」
とうとう相ケ瀬くんはカウントまで始めた。
どこまでこの人はあたしを追い込めば気が済むのさ。
もう良いもん、どうにでもなればいい。
「……きです」
これがあたしの限界だった。
そう言ったらさっきよりも強く抱きしめてくれた。
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