「なんで……なんでよ」
こういう時だけ変に優しくしないでよ。
認めなくちゃいけないみたいじゃん。
叶うはずないのに、これからこのまま隠し続けなきゃいけないようなものなのに。
あたしはフローリングに置かれた小さな箱を手にした。
それは初めて相ケ瀬くんに会った時に食べられてしまったポッキー。
チョコがコーティングされている棒が星形になってる期間限定のもので、あの後買いに行ってもなかったしもう二度と食べられないと思って怒ってたのに……。
怒りながら「今度買ってきてよ!」って言ったのに本当に見つけて買ってきてくれたんだ。
もう早くお父さんとお母さん帰ってきてほしい。
このまま相ケ瀬くんと二人ぼっちでいるなんて無理だよ。
あたしはもうその日何もする気になれなくて、布団を被って眠ってしまった。

