沖田さんを見送り、真っ直ぐ部屋に戻ろうとして、鋭い視線を感じ、ゾクッと背筋が寒くなる。



振り返ると、酒の匂いをさせた女が瓢箪を口に煽りながら、黙って立っている。


喉を鳴らすたび、口から溢れる透明の液体。

酒の匂いが半端ない。


こいつは……!?
異様なほどの威圧感に体が震える。
女性だからという、単純な震えではない気がする。



「あんたが沖田から1本取った坊やかい?」


訊ねてきた言葉に含みを感じる。



「沖田も焼きが回ったな。こんな坊や相手に1本取られるなんて」



「喧しい! 沖田さんは鈍(なま)ってへん!!」



「震えながら言っても説得力なんてないわよ」


「飲んだくれてほざいてんじゃねぇ!!」



「あんた、誰に言ってんの? あたしを筆頭局長、芹沢鴨美と知っての狼藉?」


「!? あんたが芹沢……」