金平糖を懐に入れ、何だか暖かな気持ちで歩く。

沖田さんは俺の歌う、金平糖の数え歌に合わせて歌いながらも、辺りに気を配る。



屯所に着くと沖田さんは、俺を振り返り、穏やかに笑った。


「緊張したけど楽しかった。星の形の綺麗なお菓子、願掛けしながら食べようかな」


可愛いことをさらりと呟く。


「今日は翡翠くんも疲れてるはずだから、ゆっくり休んでね」



沖田さんの優しい声が、俺の胸に染み渡る。


「……沖田さん、また手合わせしてくれへん?」


「それは、わたしの台詞。あんな綺麗な剣を見たのは初めて……あの死合いは、まぐれなんかではなかったから」


「……沖田さん」


「自分で勝ち得た居場所なんだから、頑張って」


俺は沖田さんに、包み込むような笑顔を向けられ、くらくらしながら、この笑顔を守れるように、もっと強くなりたいと思った。