「♪いろはに金平糖 金平糖は甘い
甘いはお砂糖 お砂糖は白い
白いはうさぎ うさぎははねる
はねるはかえる かえるは青い
青いはお化け お化けは消える
消えるは電気 電気は光る
光るはおやじの はげあたま♪」


翡翠くんの歌が聞こえる。


上手くはないけれど、優しい声。

歩きながら不安や怯えを紛らわしているのか、声が震えている。


「金平糖の歌?」


そっと訊ねてみる。



「あ……数え歌(o>ω<o)、ちっちゃい時、婆ちゃんに教えてもらってん……覚えてると思えへんかってんけど……」


翡翠くんは、そう言って再び歌い始める。


「♪いろはに金平糖 金平糖は甘い
♪甘いはお砂糖 お砂糖は白い……」



翡翠くんの不安が伝わってくる。


壬生狼の威厳が台無し。



「壬生狼が歌いながら歩いてる」