新撰組異聞―鼻血ラプソディ


「翡翠くん♪」



俺を見つけた沖田さんが早足で近寄ってくる。


俺は後退りながら、

「(¯□¯;)!! ストップ、いや、止まって!! ち、近寄ってこんといて!!」



昨日の朝、胸を露にした沖田さんが頭にちらついて体が震え出す。



「一緒に見廻りに行くんだから、いいじゃないの」



「ダメよ~、ダメ、あーーっ!! 襲わんといて!!」


沖田さんに追いつかれ抱きつかれて、体が痺れて動けない。


「翡翠くん!?」


「……は、離れて……息でけへん」


沖田さんが渋々離れる。



「君は……竹刀を握ってる時とは別人みたいね」



……身ぃもたへん


「……見廻りに行くのに、何でそんな、テンション高いねん!?」


「ん? テンション!?」



「あ……何でそんなに、はしゃいでるんですか?」



「美味しいお饅頭とか、お団子食べに行けるから」