「拾った?」


「見廻りしてたら、往来に倒れていて、起こしたら『鼻血』を噴き出すし、震えて失神しちゃって……変わった格好してるし、ほっとけなくて、連れて来ちゃった」



眉間に皺を寄せて、立ち上がり、男の子をしげしげと観察するのは、土方さん。


「ん……総、持ち物を調べなさい。不逞浪士や間者ならば始末する」



始末……と言う言葉に背筋が凍る。


先ず、男の子が肩から提げた黒い袋の中身から探る。

黒い袋の中には本が数冊、見たこともない素材の四角い板が1枚。

横線の入った白い紙を糊付けして束ねた物が数冊と、変わった筆を数本入れた四角い金物。

汗を優しく拭けそうなふわふわした布。

それと、四角い……触ると真っ黒だった箇所に絵が映った。

大きな巾着袋の中身は胴着と袴。

鈴ののついたツルツルした袋の金具を引くと銀貨と銅貨、漢数字を書いた色の着いた紙が数枚。



「可笑しな物ばかり」