「Σ(・□・;) そうだった……」

原田はガックリ、肩を落とす。


「原田さん! 鼻血ぶーっどころの騒ぎてはなくなりますよぉー。上からも下からも、ぶしゃーって勢いよく出たら、八木邸を追い出されちゃいますよぉー」


泣き出しそうな顔で、沖田が原田の肩を揺さぶる。


「あっち!! 総おーーっ」

湯呑みから思い切りこぼれたお茶を浴び、原田の眉がつり上がる。


が沖田の姿は既に、側にない。


店の外から「すみませーん、ご馳走さま」と、手を振り軽薄そうに笑う顔が見えた。


「剣だけでなく、逃げ足も速いわね」


土方が机にこぼれたお茶を拭きなから、静かに笑いを堪えている。


「あーっ。皿の皿の上の豆大福餅もーっ!! み、み、みたらし団子もーぉ……何にも無ーーいあ゛あ゛ーー!!」


原田の雄叫びに、土方が腹をかかえながらも「佐之江、行こうか」と席を立つ。