新撰組異聞―鼻血ラプソディ

「どう? 熱は下がったの?」


寝ている翡翠をちらと見て 、土方は訊ねる。


翡翠はだるそうに、ゆっくり体を起こす。


「すみません」


翡翠はうつむき、目を合わせようとはせずに一言言って頭を下げる。


掠れた声に咳が重なる。


「翡翠、着物と……佐之江?」

言いかけ土方は、後ろを振り返り、部屋の外に突っ立っている原田を見上げる。


「佐之江、何してるの?」


「いや、また鼻血出でたらと思って……」


「バカっ!! それを言っちゃったら……」


土方は翡翠を慌てて覗きこむ。


「あ……」


原田が声を漏らし、翡翠を見る。


翡翠の鼻から、たらりと垂れたのは鼻血ではなく、鼻水。


「えっ(((・・;)」


山南がサッと手拭いを差し出す。


「翡翠、お手玉はボールとやらの代わりになる?」


「……はい」