新撰組異聞―鼻血ラプソディ

「夜分に、ずいぶんきな臭い話をしてはったようやけど……」


「!! 信太……さん」



ひきつったような山南さんの声。


「昼間から、飲んだくれてるような人を認められへん気持ちはわからんでもない。
頭は2人も要らんのはわかる。
けど……いくら会津藩主、松平容保の命令やからって、とってつけたような局中法度突きつけて殺しやなんて理解できへん」


「!? ……聞いてたんですか?」


「……聞こえた」


山南さんの深く長い溜め息。


「信太さん……聞かなかったことにしてください。君は関わってはいけません」


「無理……聞いてしもて、そんなん言われても無理やから」


「何をするつもりですか」


山南さんが、冷ややかな声で訊ねてくる。


「……この目で、……目隠しでできることなんて……あるわけない」