新撰組異聞―鼻血ラプソディ

深い溜め息をつく山南さんの緊張感が、背中越しに伝わってくる。


仲間を手にかける――そんな段取りをして、平静でいられる方がおかしい。



気が高ぶって頭が冴え、まんじりともせずに、深々(しんしん)と時間だけが過ぎる。



どんなに悪人でも、どんなに嫌な奴でも、手にかけていい人間なんていていいはずがない。


どんな人間だったとしても生きる権利があるはずじゃないか。



芹沢にだって愛する人、守りたい人がいて、愛してくれる人、悲しむ人だっているだろうに……。


暗殺されるから逃げろ、そう伝えれば、芹沢は逃げるだろうか。


伝えたい衝動にかられる。


聞かなければよかった……後悔する。



クソッ!!
何で俺がこないに苛立つねんや。
めっちゃムカつく。



寝たふりしてるんが、何かアホらしいなってきた……。