新撰組異聞―鼻血ラプソディ

「決行は明日。宴席の後……会津藩に恨みを持った長州藩の仕業に見せかける。

芹沢には潰れるほど酒を飲ませる」


「秘密裡に事を運ぶため、試衞館以来の信頼をおける同志だけで、決行することにしました」


穏やかな声は山南さんに違いない。


「永倉、沖田、藤堂、斉藤は?」


「少数、4人でじゅうぶん」


張りつめた声は土方さん。


「近藤さんは総大将、どっしり構えていてもらうわ。他の隊士に気取られては不味い。
芹沢の取り巻きにも、この際まとめて消えてもらう」


息を殺して会話に耳を澄ませる。


どうりで初日、芹沢の名に敏感だったわけや。



音を立てないように、俺は廊下を這って部屋に戻る。


何も気づかない、何も知らないふりをして蒲団をかぶり、寝たふりをする。


山南さんが疲れた足取りで戻ってきたのは、それから間もなくだった。