我妻教育2

「うっわ。高そうなスーツ着てんなぁ~。就活用のスーツ使い回しのオレとは全然違う」

ジャスは、自虐的に自分と啓志郎くんを見比べる。


上質なのは、スーツだけじゃない。


若く端整で理知的な御曹司。


それなりの階級の集まりの中でも引けを取るどころか、際立っている。


姿も立ち振舞いも、自信と余裕に溢れていて、ニューヨークでの生活がいかに充実していたのかが分かる。


気安く近寄れない。

そもそも一会社員として参加してるあたしとしては、とても声なんてかけられる状況にないんだけど。