我妻教育2

だからこそ、マダムは積極的に交流を図っている。


マダムに控えながら、あたしとジャスも来客たちと挨拶をかわす。

名刺を受け取ったら、差し出し、挨拶会話し、その繰り返し。


マダムに対するわだかまりなんて、今は考えてる暇がないくらい。



「おい、あれ、松葉グループの御曹司じゃないか!?」


誰かの声で、場の空気が変わった。


一点に視線が集まる。

その先に、啓志郎くんの姿があった。