我妻教育2

「―…そんな…」


「とにかく今日はもう上がったら?あとの仕事は私がやっとくし」

あたしの顔を見ないままそう言い、八暮丹さんは仕事を続けた。



あたしが悪かったの?

レシピノートをロッカーに入れてたから?


信頼してたのに。

信じてついてきたのに。


生放送だったから、何を言ってももう出遅れ。

後悔してもしきれない。


なかば強制的に仕事を早退になったあたしは、家に帰る道をとぼとぼと歩いた。