我妻教育2

――あたしを降ろすってこと?


「待って下さい!」


追いかけようとしたあたしの前に、ジャスが立ちふさがった。


「っ…、どいて、ジャス!」


ジャスは、困ったような顔で肩をすくめてため息をついた。

「早い者勝ちだよ、未礼ちゃん」


「え?」


「悔しい気持ちは分かるけどさ、一つのレシピに固執してても仕方ないじゃん。切り替えて次々!」


笑顔でポンポンと軽快にあたしの肩叩いた。

ジャスの顔をまじまじと見る。